MimoDeLuxeの日記

あんなことや、こんなこと

極道まんだら

ずっとさがしていた本。

永六輔さんの「極道まんだら」

この間奈良町の古本屋さんで見つけた。

そうとうヤバい人生を送っている人たちを取材したもので、その中に曾我廼家五郎劇にいた女形・曾我廼家桃蝶さんの話がでてくる。観劇に来た学生を食ってしまったり、爵位を持っていた元貴族との付き合いなど、その内容がすごすぎて、絶版状態なのもうなずける。こんな俳優さんがいた時代の芸能界っておもしろかっただろうな。こんなゲイの人がいた時代のゲイバーも面白かっただろうな。

東京の新宿二丁目にも大阪の堂山町にも、今でもたくさんのゲイバーがある。だけどなんでこの人はこの商売を選んだんだろうと首をかしげてしまうような店ばかり。中には会話の面白い店もあるけど、そんな店ほどヒマで、流行っている店ほど面白くない。こっちがお金をはらいながら、店の人のつまらない話に付き合っている場合も多い。昔に比べて、お客さんがお上品になったからではないかと思う。自分がこの世界に出だした20数年前には、まだまだ頭のおかしい人がたくさんいたように思うし、みんなもっとイケズだった。ぬるま湯では話芸は育ちません。

頭がおかしいより、普通のほうがいいし、イケズより優しいほうがいいのはいいのだけれど、みんな優等生だと面白くないのも事実。ゲイバーもクラブも面白くないのはそのせいだと思う。「デンツケ」をやっていた時の、頭のおかしい、イジワルで、めちゃくちゃな仲間が懐かしい。

 

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