新世界
今でこそハロウィンでみんな仮装して街にくりだしているけど、この写真を撮影した20年前は、ドラァグクイーンで街を歩くとかなり注目を浴びた。タクシーに乗車拒否されることも多かった。おばちゃんに石を投げられた仲間もいるくらい。
この日は、中之島の公会堂や図書館付近、堺の工場地帯、そして通天閣周辺の新世界で撮影をした。いちばん人が多かったのが新世界であったが、ほかの地域では白い目で見られるのに、ここでは好意的に受け入れられた。
もともと新世界の映画館には、その手の先輩方がご活躍されていたということもあると思うが、新世界はやはり、おもしろいもの、新しいものを受け入れる土壌があるのではないかと思う。
新世界は大ミナミと呼ばれ、50歳でも若手といわれるくらいのゲイタウンだった。ところが、出会い系アプリだけのゲイ生活になんとなく不満を感じている若い人たちがいま新世界のゲイバーに飲みにでているらしい。デジタルからアナログへの回帰だろうか。今新世界がNOWい。