not sweet memories
今週のお題「わたしとバレンタインデー」『帰らんちゃよか』(作詞:関島秀樹
学生時代ならまだしも、もう中年と呼ばれる世代の同性愛者の私に間違ってチョコレートを渡した元同僚の女がいた。
その女性も同年代でいい歳。私は職場でカミングアウトはしていない。する必要もないと思ってる。でも、だいたい周りの人はわかってるよね、とそう思い込んでいた。毎朝デスクでアールグレイの紅茶を飲んでるノンケはそうそういないだろ!夏に外出するときには、必ず日焼け止めを幾重にもぬりたくるノンケもそうそういないだろ!酔ったらカラオケで聖子ちゃんを歌うノンケはぜったいにいないだろ!と思うけど、気づかない人は気づかないものですね。
この季節になるといつもその人のことを思い出します。その人のご厚意に対して、少し悪い気もするが、私はそれでもカミングアウトをしなかった。嘘をついてごまかしたのである。でもそれが間違いだとは思っていない。日本でカミングアウトははたして必要か?と常々思っているから。
大好きだった芸人さんにばってん荒川さんという人がいますが、その人の代表曲に「帰らんちゃよか」という名曲がある。
私はこの詩を勝手に日本で最高の同性愛者の歌と思っている。聞かないでもわかっているというやさしさ、それが日本の心ではないだろうか。ばってん荒川さんのすばらしい舞台、ぜひ見てほしい。
そらぁときどきゃ俺たちも
淋しか夜ば過ごすこつもあるばってん
二人きりの暮らしも長ごうなって
これがあたりまえのごつ思うよ
どこかの誰かがれが結婚したとか
かわいか孫のできたて聞くとももうなれた
ぜいたくば言うたらきりんなか
元気でおるだけ幸せと思わんなら
心配せんでよか心配せんでよか
けっこう二人でけんかばしながら
暮らしとるけん
帰らんちゃよか帰らんちゃよか
母さんもおまえのこつはわかっとるけん
(引用「帰らんちゃよか」関島秀樹)
(『帰らんちゃよか』(作詞:関島秀樹
『帰らんちゃよか』(作詞:関島秀樹
『帰らんちゃよか』(作詞:関島秀樹